日本で住み続けたい外国人のための永住者ビザとは?

日本で生活を続けるためには、ビザ(在留資格)が必要になります。

そのビザを取得して長年日本で生活していると、永住者ビザ(永住者の在留資格)を取得するための要件が揃い、日本で長年暮らしたい外国人が永住者ビザの申請をおこないます。

では、多くの外国人は、なぜ永住者ビザを欲しがるのでしょうか?

永住者になるメリット

永住者ビザは、日本で永住することが前提となっているため審査は厳しいですが、その分、他のビザにはないメリットがあります。

  1. 他のビザと異なり、ビザの在留期間がないので、ビザの更新手続きが不要となります。
  2. 身分ビザなので、活動制限(就労制限)がなくなるため、日本人と同様にほとんどの仕事に就くことができます。
  3. 他のビザの場合、「日本人と離婚した」「会社を退職した」等の理由により、ビザの要件を満たさなくなる可能性がありますが、永住者ビザでは、このような理由等ではビザに影響はありません。
  4. 永住者ビザは他のビザより社会的信用が高いため、各種ローンを組みやすくなります。
  5. 配偶者及び子どもは、永住者ビザ又は定住者ビザの身分ビザに変更できるので、将来の仕事等の活動の幅が広がります

永住者になるための要件とは?

永住者ビザは、緩和要件があるものの、要件が厳しくなっており、大きく分けると「素行」「生計」「定着」の3つが審査されます。

1、素行が善良であること

わかりやすく言うと、「日本での生活で他人から非難されるような生活をしておらず、決まり事を守って生活していること」となります。

2、独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること

日本で生活を続けるためにはお金が必要です。そのためには仕事や資産が必要になりますが、必ずしも申請人自身が仕事や資産を有している必要はなく、世帯単位で見た場合に安定した生活を続けられるだけの給与や資産があれば大丈夫です。

そのため、例えば、生活保護を受けている場合では、永住者ビザは困難となります。

3、原則として引き続き10年以上日本に在留していること

この要件は、「原則」として10年であり、一般要件と緩和要件があります。

緩和要件を満たしている場合には、一般要件を満たしていることになるので、まずは緩和要件をご覧ください。

緩和要件

対象者 概要
日本人、永住者又は特別永住者の配偶者
  • 実体を伴った婚姻生活が3年以上継続していること。
  • 引き続き1年以上日本に在留していること。
日本人、永住者又は特別永住者の実子若しくは特別養子の場合
  • 引き続き1年以上日本に在留していること。
定住者ビザを有する外国人
  • 定住者ビザで5年以上継続して日本に在留していること。
難民の認定を受けた外国人
  • 難民認定後5年以上継続して日本に在留していること。
我が国に貢献が認められる外国人
高度専門職のポイント制で70点以上 ポイント計算を行った場合に70点以上を有している者であって、次のいずれかに該当するもの。

  1. 「高度人材外国人」として3年以上継続して日本に在留していること
  2. 3年以上継続して日本に在留している者で、永住許可申請日から3年前の時点を基準としてポイント計算を行った場合に70点以上の点数を有していること
高度専門職のポイント制で80点以上 ポイント計算を行った場合に80点以上を有している者であって、次のいずれかに該当するもの。

  1. 「高度人材外国人」として1年以上継続して日本に在留していること
  2. 3年以上継続して日本に在留している者で、永住許可申請日から1年前の時点を基準としてポイント計算を行った場合に80点以上の点数を有していること
地域再生計画によって我が国に貢献が認められる外国人
  • 地域再生法に基づき認定された地域再生計画において明示された公私の機関において、出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の規定に基づき同法別表第1の5の表の下欄に掲げる活動を定める件の第36号又は第37号のいずれかに該当する活動をおこない、我が国への貢献があると認められること。
  • 3年以上継続して本邦に在留していること。

一般要件

引き続き10年以上日本に在留しており、さらに就労資格又は居住資格をもって引き続き5年以上在留している必要があります。

そのため、例えば、以下のような場合は永住者ビザを取得する要件を満たしていません。

  • 6年間日本で生活したけどビザを返納して一時帰国し、6ヶ月後に再度ビザを取得して4年間日本で生活した場合。これは、引き続き10年日本で生活しておらず、10年ではなく4年となります。
  • 6年間は留学ビザで生活して、4年間は技術・人文知識・国際業務ビザ等の就労ビザの場合。これは、就労資格で4年間となるので、後1年間必要となります。

4、最長の在留期間をもって在留していること

現状では、在留期間「3年」を有する場合は、最長の在留期間をもって在留しているものとして取り扱われています。ただし、出入国在留管理局(旧:入国管理局)の考え方はいきなり変更されることがあるので、注意が必要です。

5、罰金刑や懲役刑などを受けていないこと

素行要件だけでなく、ここでも懲役、禁固又は罰金(道路交通法の罰金を除く)に処せられた外国人かどうかを審査されます。犯罪の程度により異なりますが、軽犯罪であっても永住者ビザを申請する場合には、大きなマイナスポイントとなってしまいます。

6、納税義務等の公的義務を履行していること

基本的に過去3年間の税金の滞納、住所変更届出等の公的義務違反はしっかりとおこなっている必要があります。

特に、数年前までは公的年金について審査対象外でしたが、現在では公的年金も審査対象となっています。また、公的医療保険も対象となっています。

7、公衆衛生上で有害ではないこと

私の経験上では、そのような依頼者はいなかったのですが、保菌者、ウィルス保有者等、衛生上の観点から有害となるような外国人です。

永住者ビザの注意点

たまにご相談者様で勘違いされている人がいるのですが、永住者ビザを申請しても現在持っているビザとは別個の問題です。

例えば、永住者ビザの申請をしたとしても、現在持っているビザの手続きはおこなったことにはならないので、在留期間満了日を過ぎてしまうと不法滞在(オーバーステイ)となってしまいます。

永住許可申請は、ビザの更新手続きやビザの変更手続きとは異なるのです。

そのため、永住者ビザを申請したとしても、現在持っているビザの在留期間満了日が過ぎてしまう前にビザの更新手続き(在留期間更新許可申請)をしなければなりません。