日本人の配偶者等のビザ(在留資格)を取得している外国人は、日本人配偶者と離婚・死別した場合、他のビザに変更する必要があります。
ビザを変更しなければ、次回の日本人の配偶者等のビザの更新は不許可になるので、日本で生活を続けることができないためです。
どのようなビザに変更できるのか?
ビザの種類はいろいろとありますが、ここでは日本で継続的に生活することを前提として、変更できる可能性があるビザをご紹介します。
ビザ(在留資格) | 概要 | 主な該当者 |
経営・管理 | 日本で貿易その他の事業の経営を行い又は事業の管理に従事する活動 | 代表取締役、取締役、支店長、部長、等 |
技術・人文知識・国際業務 | 日本の会社等と契約し、理学、工学等若しくは法律学、経済学、社会学等若しくは外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務等に従事する活動 | プログラマー、事務員、技術者、通訳、私企業の語学教師、等 |
日本人の配偶者等 | 日本人と結婚等 | 日本人の配偶者、等 |
永住者の配偶者等 | 永住者ビザを取得している外国人と結婚等 | 永住者の配偶者、等 |
定住者 | 法務大臣が特別な理由を考慮し一定の在留期間を指定して居住を認める者 | 日本人と離婚・死別した者、日系3世、等 |
今までの経験上、日本人配偶者と離婚・死別した外国人が該当するビザはとても少なく、例外はありますが、多くの外国人は上記のビザくらいです。
理由としては、離婚・死別してから次回の日本人の配偶者等のビザの更新まで時間がないので、ビザの要件を満たすことが難しいためです。
では、上記のビザの中で一番取得できる可能性があるビザはどれになるでしょうか?
定住者ビザが取得できる可能性が一番高い
定住者ビザは特別な事情を考慮して法務大臣が許可するビザとなりますが、この中に「日本人と離婚・死別した外国人」も含まれています。
経験上、日本人配偶者と離婚・死別した場合、一番多く取得するのは定住者ビザとなります。
以下が主な要件となりますが、例えば、日本人配偶者が死別した場合、亡くなった日本人配偶者の親の面倒を見なければならない等、日本に滞在しなければならない理由がある場合には、人道的な配慮として考慮されることがあります。
日本人配偶者との間に実子がいない場合
実子がいない場合の主な要件は以下のとおりです。
- 結婚してから離婚するまで、おおよそ3年くらい日本で共に生活していた。
- 日本で生活していける経済力(仕事、貯金等)があること。
日本人配偶者との間に実子がいる場合
実子がいる場合の主な要件は以下のとおりです。
- 実子を日本で養育しており、離婚後も親権者となって日本で養育していくこと。
- 日本で生活していける経済力(仕事、貯金等)があること。
実子の国籍は、日本国籍、外国国籍のどちらでも構いませんが、子どもの出生時に両親のどちらかが日本国籍の必要があります。